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食べ物などを色鮮やかに美しく見せてくれる着色料、食紅。
お菓子作りをされる方は、実際に食紅を使ったことがあるかもしれません。
そんな食紅・・実は虫が原料で体に悪いという噂がチラホラ。
そこで今回は食紅について徹底調査!
・食紅は虫が原料で体に悪いのか
・コチニール色素が使われている食品とは
・安全な食紅とは
・食紅の代用になるものとは
などを詳しく解説していきます。
食紅は虫が原料で体に悪いって本当?
一緒に見ていきましょう。
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食紅は虫が原料で体に悪い?
食品に色を付ける為の着色料である食紅は、昔は赤色のみのこと指していましたが、現在は黄色や青色など食品用の着色料を全て「食紅」と呼んでいます。
この食紅は、様々ものが原料となっているのですが、その中のひとつに虫が原料となっている食紅もあるのです。
まず、食紅の原料を大きく分けると
・天然色素
・合成色素
の2つになり、天然色素の中に虫が原料となっている食紅が含まれています。
天然色素の「虫が原料の食紅」とは?
虫が原料の食紅は赤い色の食紅になり「コチニール色素」と呼ばれています。
別名
・カルミン酸色素
・カルミンレッドK
・カーマイン
・ナチュラルレッド
などとも呼ばれることもありますが、これらは全て同じ虫が原料の食紅になります。
コチニール色素とは「コチニールカイガラムシ」と呼ばれる虫が原料となっている食紅で、コチニールカイガラムシは、中南米やスペインのサボテンに付いて生息していて別名エンジムシとも呼ばれています。
1、コチニールカイガラムシのメスを乾燥させる
2、乾燥させたメスの体から色素を抽出する
という方法で作られます。
虫が原料の食紅は体に悪い?
虫が原料と聞くと「ギョッ」っとしますよね?
このコチニール色素と呼ばれる食紅は体に悪いのでしょうか。
WHOの専門委員会によると
・発がん性はない
・毒性はない
ことから、安全性に問題はないとされています。
ただ、
日本の消費者庁はコチニール色素に含まれる食品を摂取することで、稀にアレルギー症状を引き起こす可能性があるとして、平成24年に注意喚起を出しています。
「コチニール色素を含む化粧品の使用や食品の摂取により、アナフィラキーを引き起こしたと推定される事例が1960年代から数にして20程の論文で報告されています。
急性のアレルギーを発症した場合、呼吸困難などの重篤な症状となる可能性もあるため、消費者庁として注意喚起を行います。
万が一、コチニール色素を含む化粧品の使用や食品の摂取により、かゆみなどの対象の変化を感じた場合は、すみやかに皮膚科やアレルギー科の専門医を受診してください。」
消費者庁より引用
コチニール色素そのものがアレルギーの原因になっているわけではなく、製造過程で除去できなかったコチニールカイガラムシのたんぱく質が原因と考えられているようです。
よほど大量のコチニール色素を摂取しない限り心配はいらないとも言われていますが、実際に呼吸困難などのアレルギー症状を引き起こした方がいて、こうして注意喚起も出されているとなると、コチニール色素は「絶対的に安全で危険性が全くない」・・とは、言えないですよね。
天然色素の「虫以外が原料の食紅」とは?
虫が原料となっている食紅以外の天然色素の原料も見ていきましょう。
天然色素で虫以外の食紅の原料は?というと
・赤色:ベニバナ、紅麹、リコピン(トマト)
・黄色:クチナシ、ウコン
・紫色:ムラサキキャベツ、ブルーベリー
・青色:クチナシ
・緑色:ヨモギ
などがあります。
天然色素の食紅は自然な色合いを楽しめる為、和菓子などに使われることが多いです。
虫以外が原料の食紅は体に悪い?
天然と聞くと体に悪いイメージはなく、安心な食紅に思えますよね。
天然素材の食紅は、ほとんどのものが毒性検査をクリアしたものになります。
ただ、中には使用を許可されていたにも関わらず「安全性に問題があった」として、後に使用禁止になったケースもあります。
具体的には「アカネ色素」を原料とした食紅で、植物のアカネから抽出して作られていた色素なのですが、2004年に発がん性があるとして使用が中止になったのです。
それまで20年以上も使用が許可されていたのに・・です。
そう考えると、天然の色素だからといって必ずしも安全とは言い切れないのかもしれませんよね。
合成色素とは?
食紅の原料には天然色素の他に「合成色素」と呼ばれる原料で作られたものもあります。
合成色素とは、石油を原料としたタール系の色素から作られていて
・発色が良い
・落ちにくい
などの特徴があります。
天然色素に比べると安価なものが多く、「食用赤色102号、2号」「食用黄色4号」などと記されている食紅になります。
合成色素は体に悪い?
石油が原料などと聞くと「体に悪いのでは?」と、不安に思ってしまいますが日本では食品衛生法により
・発がん性
・反復投与毒性
・変異原性
などの試験が行われていて毒性がないことが確認されています。
また、国内で使用できる合成色素の食紅は国の検査既定の上「普通の食生活環境において摂取する分には安全な食紅」だけが使用を許可されている為、現在国内で市販されている合成色素の食紅は、安全性が高いと言われています。
ただ、海外においては異なり、日本では使用が認められているものも海外では禁止されている合成色素がいくつかあります。
具体的には
・赤色2号、赤色2号アルミニウムレーキ
多量に摂取すると発がん性の可能性がある(アメリカでは使用禁止)
・青色1号、青色1号アルミニウムレーキ
動物性実験により発がん性が確認される(ヨーロッパ諸国では使用禁止)
・黄色4号、黄色4号アルミニウムレーキ
蕁麻疹や喘息、鼻炎などのアレルギー症状などを引き起こす可能性がある(ヨーロッパ諸国では使用規制)
・赤色3号
甲状腺に異常を生じる可能性がある(ドイツでは使用禁止)
・赤色2号、赤色102号、赤色106号
発がん性やアレルギーを引き起こす可能性がある(アメリカとカナダでは使用禁止)
などになります。
また、2008年にはイギリスの食品基準庁が
・赤色40号
・赤色102号
・黄色4号
・黄色5号
・カルモイシン(日本での食用タールとしての使用は未認可)
・キノリンイエロー(日本での食用タールとしての使用は未認可)
などが、注意欠陥障害の原因に繋がる恐れがあるとして、食品メーカー等に自主規制を行うように勧告を促しました。
その結果、EU全域においては
・これらの合成色素の摂取量の見直し
・消費者に注意を喚起する文面を製品に記載する
ことを義務付けるようになりました。
これらの合成色素の危険性については、日本を含めた欧州以外の地域では問題視されていません。
「日本では使用が許可されている合成色素の食紅であっても、海外では使用を禁止しているケースもあり、必ずしも安全とはいえない」ということを、認識・把握しておくことも大切なのかもしれませんね。
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コチニール色素が使われている食品はコレ!
虫が原料となっているコチニール色素は、どんな食品に含まれているのでしょうか。
そもそも虫が原料となっている点も抵抗を感じる上に、危険性もあるとなると口にするのは避けたいところですよね。
コチニール色素の食紅が使われている食品には、どんなものがあるのか見ていきましょう。
コチニール色素は赤色の食紅なので、赤い色の食品に使われています。
・上部が赤いかまぼこ(赤い部分がコチニール色素の食紅)
・いちごシロップ(かき氷用のシロップ)
・いちごジャム
・いちごミルク
・ハム
・ウインナー
などになります。
食品ではありませんが、化粧品の口紅にもコチニール色素が使われていることがあります。
また、このコチニール色素を使用した食品は添加物として記載することが義務付けられています。
コチニール色素に抵抗がある方は食品の原材料欄をチェックするようにしましょう。
ちなみに、独特の色をいている飲料「コーラ」に、このコチニール色素が使われているのかというと、コーラに使われているのは「カラメル色素」になり、コチニール色素は使われていません。
コチニール色素の使用を中止した食品はコレ!
以前は、コチニール色素を使っていたものの、現在は使用を中止している食品もあります。
<カクテルに使うカンパリ>
2007年よりコチニール色素の使用を中止し、合成色素の食紅「赤色2号」などが使われています。
<スターバックスのストロベリー・フラペチーノ>
2012年に米国のスターバックスがストロベリー・フラペチーノのコチニール色素の使用を中止しています。
日本のスターバックスでも使用が中止となり、日本でのストロベリー・フラペチーノの販売は限定品になる為、その都度
・ストロベリースライス+紅麹色素
・ストロベリーソース+合成色素の赤色2号
・ストロベリーシロップ+クチナシ+紅花の色素
などの食紅に変更して使っているそうです。
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安全な食紅はコレ!
食紅は、スーパーや100円ショップなどで気軽に入手できますが、できれば少しでも安心して使えるように
・合成色素ではない食紅
・虫を原料としているコチニール色素を使っていない食紅
を使いたいものですよね?
安全な食紅はないかと、探してみたところ、ありました!
「私の台所 食用色素」8色セットの食紅です!
粉末の食用色素のセットになるのですが、こちらは全て天然の色素(虫ではありません!笑)が、使われている食紅になります。
詳しく原料を見ていくと
・赤の食紅:紅麹
・緑の食紅:クチナシの果実から青と黄色の色素を抽出して配合
・青の食紅:スピルリナ(海藻)
・紫の食紅:ムラサキイモ
・茶の食紅:イネ科の食物コウリャン
・黄の食紅:クチナシの果実
・ピンクの食紅:赤ビートの根
・黒の食紅:炭
になります。
これらの色素の原料以外にも、クエン酸三ナトリウムやリン酸二水素ナトリウム、デキストリンなどが入っていて、これらは食品添加物になるのですが
・クエン酸三ナトリウム:保存料や香料などに使われる食品添加物で食べ物由来の成分なので安全
・リン酸二水素ナトリウム:増粘安定剤や乳化剤ことになり成形やとろみづけなどの働きをする成分で天然由来のものがほとんどなので安全
・デキストリン:食物繊維の一種ででんぷんから作られているので安全
と、いずれも安全な成分になります。
合成色素の食紅よりも少しお値段が高くなってしまいますが、安全に食品を着色したいい方におすすめの食紅です。
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食紅の代用は?
様々な原料で出来ている、食紅。
決して体に悪いわけではないものの、ちょっと抵抗を感じるのも事実だったりします。
そこで、食紅の代用になるものはないのか、調べてみました。
赤色の食紅の代用はコレ!
赤色の食紅の代用におすすめなのは3つ!
・ストロベリーパウダー
・パプリカパウダー
・ビーツ
ストロベリーパウダー
イチゴの果実の構造を壊さずにフレッシュスプレードライ製法によって製造されたパウダーになります。
ダマになりにくいので生クリームやチョコレートにも馴染みやすく使い勝手も◎!
アイシングなどにも適していて美しく仕上げることができます。
ただ、イチゴの香りや味は感じられるので「イチゴ味」になることを想定して使ってくださいね。
また、このフルーツパウダーのシリーズにはストロベリーの赤色の食紅の代用だけでなく
・レモン、マンゴー:黄色の食紅の代用
・ブルーベリー:紫の食紅の代用
・コーヒーエキス:茶色の食紅の代用
などに使えそうなパウダーもあるので、いくつか揃えておくと便利ですよね♪
パプリカパウダー
赤い色の食紅の代用はパプリカパウダーを使うのも◎!
色付けだけでなくビタミンCやビタミンE、カロテンなどの栄養も摂れるのも嬉しいですよね。
ただ、赤い色というよりはサーモンピンクに近い色になり、オレンジとピンクを混ぜたような優しい色合いになります。
ビーツ
赤色の野菜「ビーツ」を食紅の代用に使うのもおすすめです。
こちらは長野県産のオーガニックのビーツになります。
ビーツは煮詰めると赤い煮汁が出るので、この煮汁を使うと◎!
1、鍋にビーツとビーツがかぶるくらいの水を入れる
2、20~30分ほど煮詰める
で、OK!
お酢を入れると鮮やかな赤色になりますよ。
ビーツ自体は、そのまま玉ねぎなどと一緒にコンソメで煮込んでスープにすると美味しく食べられますよ♪
青色の食紅の代用はコレ!
青い色の紅の代用は2つ
・バタフライピー
・紫キャベツ
バタフライピー
青色の食紅の代用はバラフライピーと呼ばれるハーブティーがおすすめ!
バタフライピーは青いお花を使ったハーブティーで、体に嬉しいポリフェノールの栄養素「アントシアニン」が含まれています。
無農薬で安心して飲めるお茶なのも嬉しいですよね。
また、驚きなのがこのバタフライピー・・お酢やレモン汁などの酸性のものを加えると、紫色や赤色に変化するのだとか!
こちらのショップでは、親切にレモン汁も付けて送ってくださいますので、青色以外にも紫や赤の食紅の代用としても使えちゃいますよ♪
紫キャベツ
ちょと、こちらの動画を見てください!
紫キャベツを沸騰したお湯に入れて、約5分間弱火で煮詰めると紫色の煮汁が出ます。
・・って、これは想定内ですが、なんとこの煮汁に
・重曹を加える→青色に
・レモン汁を加える→ピンク色に
変化するのです!
しかもとっても綺麗な色ですよね!
動画ではこのままゼリーを作っていますが、お菓子などの色付けにも使えます。
紫キャベツは
・青
・紫
・ピンク
の食紅の代用になる優秀食材なのです!
煮出した後の紫キャベツは、水気をしっかり切ってきゅうりやハムなどと和えてサラダにして食べると美味しいですよ♪
黄色の食紅の代用はコレ!
黄色の食紅の代用には「くちなしの実」がおすすめ!
くちなしの実は「くりきんとん」などの色付けにも使われます。
こちらのくちなしの実は厳選されたものをパック!
鮮やかな黄色の色付けることができますよ!
黄色の食紅の代用に「カレー粉」という案もあるのですが、味がカレー味になってしまうのが気になるところ・・スイーツやお菓子作りには、ちょっと無理そうですがお料理ならメニューによっては使えるかもしれませんよね。
緑色の食紅の代用はコレ!
緑色の食紅の代用には抹茶がおすすめ!
こちらの抹茶は茶葉をそのまま粉末にした粉抹茶になります。
農薬や化学肥料を使わずに作られた抹茶パウダーで、このまま飲んでももちろんOKですが、お菓子やお料理の色付けにも使える緑がとっても綺麗な抹茶です。
食紅よりも無駄なく使い切ることが出来そうですよね♪
黒色の食紅の代用はコレ!
黒色の食紅の代用にできるのは2つ
・竹炭パウダー
・ブラックココアパウダー
竹炭パウダー
黒色の食紅の代用には竹炭パウダーが◎!
実は体に嬉しい効果がある竹炭は、ダイエット効果やデトックス効果も期待出来る為、普段の飲み物や食べ物に混ぜて摂取するのもおすすめです。
もちろんお菓子やお料理の色付けにも使えますよ!
また、こちらの竹炭パウダーは洗顔や歯磨きにも使えちゃいます・・まさに万能!すごいですよね。
豊富な天然のミネラルがたっぷりの竹炭パウダーで、安心&楽しく色付けしてくださいね♪
ブラックココアパウダー
黒色の食紅の代用にはブラックココアパウダーもおすすめです。
こちらのココアパウダーはしっかりとした深い黒色が出せますよ!
無糖、無添加、無香料なのも嬉しいですよね。
高クオリティーな黒色が自慢のココアパウダーで、きれいな黒色を出してくださいね♪
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まとめ
ている食品などを見てきました。
<食紅は虫が原料なのか>
食紅は虫や植物が原料の天然色素の物と、石油を原料としたタール系原料の合成色素がある
<虫が原料の食紅は体に悪いのか>
虫が原料の食紅は、発がん性や毒性はないことから安全性に問題はないとされているが、稀に製造過程で除去できなかったコチニールカイガラムシのたんぱく質によってアレルギー症状を引き起こすことがある
<コチニール色素が使われている食品>
・上部が赤いかまぼこ(赤い部分がコチニール色素の食紅)
・いちごシロップ(かき氷用のシロップ)
・いちごジャム
・いちごミルク
・ハム
・ウインナー
などがあり、食品ではないが口紅にも使われていることがある
国内で市販されている食紅は、決して体に悪いわけではないようですが、頻繁に使う場合は、代用の物を用いてもいいかもしれませんよね。